〈旅行記〉スペイン・バルセロナの食文化を観察
昨晩バルセロナ入りして、今日は1日街歩き。文字通り脚が棒になるまであちこち歩き回って、ホスト宅に帰ってきました。
とても書ききれないくらいそれぞれ感想がありますが、ざっとルートだけおさらい。
サグラダ・ファミリア聖堂
バルセロナ一の観光名所だけに、気合を入れて朝8:30に到着。9:30に観覧予約をしていたので、教会内をひととおり見たあと、エレベーターで建物上部へ。
塔の内側のらせん階段から、バルセロナ市街を一望できます。冬の空は澄みわたり、街はわずかに朝もやがかかってとてもきれい。
サン・パウ病院
そこから徒歩圏内のサン・パウ病院。東京に同名のスペイン料理店(二つ星だったかな?)がありますが、これのことだったのかーと思いながら外観を見物。今は病院の機能は持たず、歴史的建造物として保存されています。
カサ・ミラ
バスに乗って、次のガウディ建築へ。今でも実際に4世帯が暮らしているというカサ・ミラ。中に入るには20ユーロ以上かかるので断念しましたが、屋上まで上れるようでした。「有機的」という表現がこの上なくしっくりくる、曲線オンリーの建築です。
カサ・バトリョ
そこから高級ブティックが立ち並ぶグラツィア通りを歩き、同じくガウディ作のカサ・バトリョへ。クリスマス仕様(?)で雪が積もったようなデコレーションがされていました。正面にベンチがあったので、しばし見上げて鑑賞。
カタルーニャ広場
さらにバスに乗って、ゴシック地区の入り口、カタルーニャ広場へ。大通りのど真ん中にありますが、のどかな雰囲気。鳩がたくさんいて、地元の人も観光客も思い思いに過ごしていて、なんだか上野公園的な印象。
ゴシック地区(旧市街)
歴史を感じる建物が立ち並ぶエリアを散策。1階にはカフェや雑貨屋などが入っていて、2階から上は居住エリア。路地に入ると、窓から洗濯物が干してあったり、子供がボール遊びをしていたり、生活感が感じられます。
カンプノウスタジアム
最後に、30分ほど電車に乗って、FCバルセロナの本拠地、カンプノウへ。あいにく試合のない日でしたが、グッズショップやミュージアムは観光客で賑わっていました。
現在のメインスポンサーはカタール航空ですが、2017からは前職の楽天になる予定。ここに「RAKUTEN」の文字がくることを思うとなんとも感慨深い・・・と思いながらスタジアムを後にしました。
と、大まかにこんな1日だったのですが、1日バルセロナの街に身を置いてみて感じたのは、「言語の複雑さ」です。
聞こえてくる言葉はスペイン語と思われる聞き取れない言語が大半ですが、どうやらその中には2種類あるらしく、街なかの案内にはスペイン語・カタルーニャ語(カタラン語)・英語の3パターンが存在しています。
地下鉄内の表示
「注意」の表示が、左から、カタルーニャ語、スペイン語、英語になっています。カタルーニャ語とスペイン語のどちらを優先させるかは、バルセロナの位置するカタロニア地方の歴史的経緯から一筋縄ではいかない問題のようなのですが、この2言語の違いについて調べていておもしろいことを発見しました。
スペイン語とカタルーニャ語はどちらもラテン語から派生した言語で、上の「Attention」からも分かるように、基本的には似ています。
ですがなかには全く異なる単語もあって、「食べる」もその一つだそうなんです。
同じくラテン語を元にする他のロマンス諸語を調べてみると、
- フランス語:manger
- イタリア語:mangiare
- ポルトガル語:comer
なるほど、スペイン語はポルトガル語、カタルーニャ語はフランス語・イタリア語と同じグループになるようなんですね。
この2種類がそれぞれどういうニュアンスの言葉なのか、辞書だけでは分かりづらいですが、またまた調べていると、こんな情報が。
スペイン語の「食べる」のバリエーション - ちょっと囓ってみたス... - Yahoo!知恵袋
スペイン語では、comerの他にも「食べる」を表す動詞があるらしいんです。
スペインでは昼食が一日のメインの食事なので、単にcomerと言うときは「昼食を食べる」になるそうですが、ほかに専用の動詞として、朝食をたべる(desayunar)、昼食を食べる(almorzar)、夕食をたべる(cenar)、おやつを食べる(merendar)があるそうな。
日本語に置き換えて考えてみて、「食べる」以外に動詞って思いつきます?「食する」「味わう」「食らう」・・・食べ方についてのバリエーションはあるけれど、食べる対象で動詞を使い分けるって、ちょっと発想がないですよね。
雪国で暮らすエスキモーの言葉には「雪」を表す単語が多い、というのは有名な話ですが、同じようなことをスペインの「食」に感じました。
バルセロナと食
カサ・ミラ1Fのミュージアム&スーベニアショップには、スペインの食を紹介する書籍コーナーがずらり。スペイン=食のブランディングを強く感じます。右下の黄色い分厚い本は、あらゆるタパスを解説したPHAIDON社の本。美術書で知られる出版社なので、食の位置付けの高さに驚き。
街の書店の食関連コーナーも充実していました。Gastronomiaはスペイン語で「グルメ」の意味。
『孤独のグルメ』のスペイン語訳も発見!これだけ食好きな国民なら、ウケて当然ですよね。納得。
そんなグルメなスペインですが、名物のタパスもちゃんと食べてきましたよ〜。
Today's menuから3種のタパスを選べて、バゲット、ドリンク、食後のコーヒー(or Today's sweets)がついて、税込12ユーロとは安い!
ランチは13:00~16:00、ディナーは21:00~24:00の時間帯が普通というバルセロナ、店内は午後をゆったりランチで過ごすカップルやファミリーで賑わっていました。
こんな街で暮らしたら、食べること・生きることの意味が必然的に変わってきそうです。
明日も1日バルセロナ、スペイン最大のfood marketに行く予定です!