LIFEAT [life≒eat]

食べることは生きること。日々出会う「幸せな食」や食についての雑感を備忘録的に綴っています。

〈旅行記〉ボルドーでワイナリーツアー

f:id:lifeat:20170111161728j:plain

ボルドーでワイナリーツアーに参加してきました!
ガイドと一緒に2ヶ所のシャトーを回って、見学と試飲ができます。テイスティングのワークショップつき。
今回案内してもらったのは、ボルドー中心地から北に車で30分ほどのメドックという地区。ボルドーに5軒あるフランスワイン格付第1級のシャトーのうち、4軒がこの地区に集中しているという一大産地です。
ちなみにワインは大して詳しくないので、日本語だったとしても全部理解できたか微妙^^; 専門用語も多いので、予習して行って何とか。。。それでも、行ったからこその気づきや発見がたくさんあったので、長くなりますがシェアします。

 

<1軒目:Ch.Paloumey(シャトー・パルメ)>

戦後の財政難などで長く生産が途絶えていたものの、1990年にひとりの女性実業家がシャトーを購入し、木を植えるところから生産を再開。ぶどうの収穫、不要な枝の刈り取りなどほぼ全て手作業で行う徹底した質へのこだわりで、今ではメドックを代表するシャトーになったのだそう。
この日はユニクロの極暖でも凍える寒さでしたが「今日はましなほう。寒くても雨が降っていても畑に出るわ。強い思いがないとできない仕事ね」とのこと。この冬の期間に不要な枝を切り落としておくことで、実がなる枝に栄養が集中するのだそうです。
また、最近は少しずつ農薬をやめて有機栽培を増やしているそうで「土壌への影響ももちろんだけど、近くの家には人が住んでいて小さな子どももいるの。バランスを大事にするのが私たちの信念よ」との言葉が印象的でした。
 

<2軒目:Ch.Lagrange(シャトー・ラグランジュ)>

奇遇にも80年代から日本のサントリーが所有しているそうで、バブル期のワインブームで購入したんだろうと想像。美しい庭園が整えられて、ビジター用のビデオガイドもあります。1軒目がクラフトマンシップとすると、ここはビジネス上手な印象。案内してくれた女性はシャトー家系のようでしたが「サントリーがなければ今の私たちはないんです」という感じで、よいチームワークがうかがえました。
樽の保管庫は終わりが見えないくらい巨大で、樽の温度がモニター管理されていたりブレンドマシンがあったりします。面白かったのは、樽は3回まで使えるそうですが、その後洗浄してサントリーのウィスキー樽として再利用しているんだとか。
 
各シャトーで2種類ずつ試飲させてもらい、すっかり気持ちよくなって大満足!
 
ツアーを通して、ワインってつくづく人が守り育ててきた飲み物だなぁと感じました。ローマ時代に生まれて二千年、寄生虫や財政難、戦争など数々の危機を乗り越えて、ここまで世界中で愛されるようになったのは、もちろんワイン自体のポテンシャルもあるわけですが、まぎれもなくその時代時代の意志なんですよね。フランスワインについては特にそうで、フランス国家による保護政策がなければ、今のフランスワインのブランドはないわけです。
 
ちなみに、ボルドーがワイナリーツアーを積極的に行うようになった一つのきっかけは、2011年のワイン価格の暴落なんだそうでした。近年ワインが飲むためではなく投資取引されるようになっていて、2009年と2010年をピークに高いものでは1本600万もの金額で落札される事態になったそうなんですが、2011年の不作でバブルがはじけ、ボルドーは大混乱。その後、ワイン作りの原点に立ち返る動きがあるそうです。
消費者にワインのことを知ってもらって、もっとワインを大切にしてもらいたいという想い、私にはたしかに届きましたよー!
 
現在はボルドーからスイスへと移動中、本場のラクレットチーズが楽しみです!