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LIFEAT [life≒eat]

食べることは生きること。日々出会う「幸せな食」や食についての雑感を備忘録的に綴っています。

〈旅行記〉スペイン・サンセバスティアン 成熟の街

バルセロナを出てからポケットWiFiが「no service」になるというアクシンデントに見舞われて(涙)、ブログ更新が遅れています。

 

今はボルドーAIrBnBの部屋ですが、昨日滞在したサンセバスティアンの記録を記憶の新しいうちにメモメモ。

 

夜明け前に地中海沿いのバルセロナを出発して、約5時間半かかってイベリア半島を横断。反対側の大西洋側に位置するサン・セバスティアンにたどり着きました。バルセロナとはうってかわって、キオスクが2軒あるだけのこじんまりした駅です。

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 Donostia-San Sebastian駅。

 

ここは面積あたりのミシュランの星の数が世界一という美食の街で、「上から下まで全部見る」がモットーの私としては(何が上かはさておき)ひとつの極として一度見てみたかった場所。今回ぐんと背伸びして、「Akelarre」という三つ星でフルコースをいただいてきました。

もともとは、1年くらい前にみた映画『99分、世界美味めぐり』で紹介されていた「Arzak」というお店に行こうと思っていたのですが残念ながら予約が取れず、街に3軒ある三つ星のうち予約が取れたここに行くことに。

ちなみに予約は日本でオンラインでして行きましたが、コンタクトしたこの2軒とも三つ星にも関わらず予約システムが超アナログで、予約フォーム上で空きを調べることができません。Arzakに至っては、希望日時(第一希望のみ)を送信すると、3日後くらいにスタッフからメールが返ってきて(自動返信ではなくて、スタッフが逐一書いていると思われる)、そこではじめて予約可否が判明する仕組み(苦笑)。日本で当たり前に使っている食べログやOpen Tableの予約フォームって、素晴らしく便利です。

 

サン・セバスティアン全体がモダンガストロノミーが発展している土地ですが、ここは中でも分子ガストロノミーで有名なレストランで、豊富な海の幸を活かした料理が特徴なんだそう。

予約時間は30分刻みで昼は13:00-14:30、夜は20:30-22:00。到着からなんとか間に合う14:30の席を予約しました。日本で予約したときは「何だこのヘンな時間設定は」と思いましたが、スペインの食習慣にも慣れてきたので、胃袋のリズムもばっちり。

13時過ぎに駅に着くと、さっき書いたようにWiFiが繋がらないことが判明。あらかじめ調べたルートだと13時半すぎの便に乗らないと間に合わないのに、駅の場所すら分からない!助けて〜!

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駅前のインフォメーションデスクに駆け寄り、カウンターのお姉さんに駅の名前を伝えて、MAPに場所を書き込んでもらいます。念のため、とあらかじめキャプチャしていたGoogleルートの画像が頼りになりました。

とにかく、13:39までにZubieta14に行かねば!

キャスターの荷物をガラガラ引いてMAPに書いてもらった地点までたどり着くも、駅らしきものは見当たりません。なんでー?!何人かの道ゆく人に「ズビエタフォーティーンの駅はどこ??」画像を見せて訪ねたところ、親切なマダムが「この辺がズビエタ14番地だけど、電車の駅を探しているの?よく分からないわねぇ」と。そうこうしていると、目の前にあるバス停に「Zubieta14」の文字が!なんと、駅は電車ではなくバスだったのでした。16番のバスに乗れということだったんですね。

私がバス停であまりに右往左往しているので、見かねた別のおばあちゃんが、スペイン語で一生懸命説明してくれます。どうやら16番のバスはあと5分で来るらしい。なんとか予定の便に間に合ったようで、ほっと一息。

おばあちゃんも同じ便に乗るようだったので、真似をして切符を買って、バスに乗り込みます。揺られている間も気にかけてくれて、まだ降りちゃだめよ、と合図を送ってくれて心強い。

目的のMeteorologikoa駅のアナウンスを聞き逃さないよう、集中して案内板を見ていると、15分ほど経ったところで、おばあちゃんが「ここよここ!」と肩を叩いてきました。え、まだ着いてないんですけど!Google先生のナビと違います!ときょとんとするも、言われるがままバスを降ろされて、バス停で呆然。別のおばあちゃんが一緒に降りて、スペイン語でまたしても何か説明してくれるけど、何のことか全然分からない。とりあえず「あっちよあっち」と指さすので、そちらに向かってみることに。しかし駅的なものは何もないし、お店までまだ3kmくらいあるし、どうしてくれるの〜!

結局、そこから何とかタクシーを拾って先の画像を見せたところ「あぁアケラーレね」と何とも心強い返答。さらに山道を10分くらいタクシーに揺られ、なんとか予約時間前にお店にたどり着くことができました。レストラン正面に車をつけてくれ、お支払いは10ユーロちょっと。むしろ優雅な気分にもなれて、結果OKだったのでした。

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小高い丘の上、海を見渡す最高のロケーション!

コースは3種類で、お店の定番メニューを集めた「Classic」と、新メニューを盛り込んだコースが2種。私はClassicを選びました。

メニューには乗っていない前菜だけで5品、その後チーズ・デザートも含めると9皿というフルボリュームのコース。それぞれ手が込んでいて、一瞬も目が離せないショーを見ているかのよう。

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10皿近いコースのうち、一番好きだったのがCardoonというアーティチョークの野生種の茎をソテーしたもの。ウドのような淡白な味かと思いきや、後から口の中でびっくりするくらいの甘みがわいてきて、経験したことのない感覚。時間差でやってくる甘さが面白くて、ちょっとずつ何口にも分けて楽しみました。

ほかにも、一見何の変哲もないオリーブが、中にアンチョビが隠されていて実はオリーブをいったんペーストしてもう一度オリーブの形に再構成したものだったり、イベリコハムに見えるものが、パプリカとトマトを練り込んだパスタだったり。あちこちに仕掛けが隠された実験的なメニューでした。

人と食事するのも好きですが、今回みたいに食の限界を突破していくような料理の場合には、ひとりで楽しむのもまた良し。これまでの舌の記憶を呼び起こしながら、シェフの思考に想像を巡らせる時間。美術館で作品とひとり対峙する感覚に近いものがあります。


ひとり客は私だけでしたが、フレンドリーなスタッフのおかげですっかりリラックスして、密な2時間を過ごしました。

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窓際の女性がメインでサーブしてくれたスタッフ。スペイン語混じりの英語で、終始にこやかにメニューの説明をしてくれて、「Was it good?」「Do you like it?」とひとり客の私を気にかけてくれる。この女性に限らずスタッフがとても楽しそうに働いているのが印象的で、中には鼻歌を歌っているスタッフも。日本である程度のお店に行くと、洗練されたスタッフが緊張感をもって接客してくれるイメージだけど、ここは三つ星だけど肩肘はらずアットホーム。お皿の置き方とか、見方によっては雑とも捉えられるけれど、私にとってはくつろげる雰囲気で好印象でした。お客さんも全体的にそんな感じで、(お店的にはWelcomeじゃないかもだけど)スニーカーで来ている人も。奥のテーブルではお誕生日のお祝いだったようで、一人がハッピーバースデーを歌いだすと、(私も含め)お客みんなで拍手する一幕も。


ちなみに隣のテーブルは子供連れのファミリー。お子さま用に運ばれてきたのは化粧品を思わせるボトル(!)で、パンにプッシュして楽しそうに食べてました。私もやりたかったなぁ〜。

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建物入ってすぐに見える景色。何かとRに縁がある私です。

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ここで外を眺めていると、「日本の方ですか?」と久々の日本語が。サンセバスティアン出身の男性と結婚した女性で、普段は大阪に二人で住んでいるものの、ご主人の実家への帰省で二人で食事しに来たんだとか。サンセバスティアンまで足を運ぶ日本人は少ないそうで、一人で来ている私が珍しく思わず声をかけたんだそう。旅先で同郷の人に出会うと、それだけで友達のように思えてくるこの不思議。せっかくなのでと地元の美味しいお店を聞いたところ、もともとチェックしていたチーズケーキのお店を紹介されました。地元民のオススメってことは、ほんとに美味しいのかーと、夜の予定に加えることに。

 

さて、大満足で店を後にして、今度はちゃんとバスで街中まで戻ります。その名も「The room in the City」という繁華街のど真ん中にあるドミトリーにチェックインして、重たいお腹を抱えて街に繰り出しました。

 

まず見つけたのは、中心地のモール地下にあるスーパーマーケット。雰囲気としては成城石井とフードショーの間くらいの感じで、普段づかいの食材からちょっと高級なものまで幅広く揃います。

驚いたのはチーズのラインナップ。

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これだけでも日本のスーパーではかなり充実してるほうだと思いますが、

 

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チーズ専用棚、その一。

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その二。

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その三。まだ続きます。

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その四。

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 その五!

 

こんなにあったらどうやって選べって言うんですかー!

この中から食べたいものをチョイスする知識がふつうにあるとしたら、ほんとすごいことですよね。他にも、お肉類、ホワイトアスパラガス、トマト、アーティチョークの充実度はすごかったです。反対に、魚介と生野菜は少ない印象でした。

 

街は土曜にも関わらず20時くらいまでほとんどのお店が開いていて、土産物屋は少なく地元の人向けのショップが充実していました。ファッション関係のお店はとてもおしゃれで、バルセロナよりも私の好きなテイスト。ふらっと入ったセレクトショップでは私の好きなイザベルマランやAPCなどのフランスブランドを扱っていたし、地元デザイナーの革小物屋さんやアクセサリー屋さんも洗練されている。

 

サンセバスティアンはピンチョス発祥の地で、夜はバールでピンチョスをつまむスタイルが人気とのこと。食べてみたかったんですが、食欲が完全に満たされてしまって全く食指が動かない。。。

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おすすめされたチーズケーキがおいしいBARも見つけましたが、やっぱりどうしても食指が動かない。くー。

 

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最後にドミトリー近くのBARでシメにコーヒーを一杯。カウンターに載せられたピンチョスを見て気分だけ味わって、気持ち良く宿に戻りました。

 

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以上、サンセバスティアンの1日でした。