〈旅行記〉スイス・ジュネーブ インターナショナルな食カルチャー
ボルドーから鉄道を2回乗り継ぎ、9時間がかりでスイス・ジュネーブにたどり着きました。
リヨンを過ぎて、北アルプスに近づいてくると車窓は雪景色に一変。同じヨーロッパでもこれまでと違う圏内に入ったことを肌で感じます。
スイスというと、アルプスの少女ハイジのイメージ。
ここはチーズでしょ、ということで今晩はチーズフォンデュかラクレットチーズにしようとお店を探して街歩き。
街を歩いてすぐに気づくのは、
・物価が高い!
・スイスっぽいお店がない!
・お店が閉まるのが早い!
です。
物価の高さは聞いてはいましたが、ここまで高いとは。。。
スイスはEUに加盟していないので通貨はユーロではなくスイスフラン。レートはさほど変わらなくて、1ユーロが122円、スイスフランが114円と若干安い感じ。
そのスイスフランで、500mlペットボトルの水が2.5(約280円)、スタバのラテが
スペイン〜ボルドー〜スイスとどんどん物価が上がる印象があります。
スペインの記憶が新しいので、こんな金額払いたくない!と、外食する気が失せてきました・・・。
また、チーズが食べられるお店を探しているのに、目につくのは中華やインド料理、ケバブ、ピッツァリア(イタリアン)等ばかりで、伝統的なスイス料理のお店が見当たらない。ちょっと西洋風のいわゆるレストランを覗くと、セットで30スイスフラン〜という感じで、ちゃんとディナーするほどお腹も空いてないし。。。
じゃあスーパーで適当に買ってホステルで食べるか!と路線変更したものの、
夜20時前でスーパーが早々にシャッターを下ろしている!ホステルにチェックインする前は開いてたのに!
なんて暮らしにくい街なんだ!ジュネーブ!
でも、それには理由があります。
ジュネーブには国連の欧州本部のほか、世界保健機関、世界労働機関などの数々の国際機関があるため、多様な国の人たちが暮らしているんですね。街中に各国料理のお店が多いのはそういう背景なのではと思います。
〈旅行記〉ボルドーでワイナリーツアー
<1軒目:Ch.Paloumey(シャトー・パルメ)>
<2軒目:Ch.Lagrange(シャトー・ラグランジュ)>
〈旅行記〉スペイン・サンセバスティアン 成熟の街
バルセロナを出てからポケットWiFiが「no service」になるというアクシンデントに見舞われて(涙)、ブログ更新が遅れています。
今はボルドーのAIrBnBの部屋ですが、昨日滞在したサンセバスティアンの記録を記憶の新しいうちにメモメモ。
夜明け前に地中海沿いのバルセロナを出発して、約5時間半かかってイベリア半島を横断。反対側の大西洋側に位置するサン・セバスティアンにたどり着きました。バルセロナとはうってかわって、キオスクが2軒あるだけのこじんまりした駅です。
Donostia-San Sebastian駅。
ここは面積あたりのミシュランの星の数が世界一という美食の街で、「上から下まで全部見る」がモットーの私としては(何が上かはさておき)ひとつの極として一度見てみたかった場所。今回ぐんと背伸びして、「Akelarre」という三つ星でフルコースをいただいてきました。
もともとは、1年くらい前にみた映画『99分、世界美味めぐり』で紹介されていた「Arzak」というお店に行こうと思っていたのですが残念ながら予約が取れず、街に3軒ある三つ星のうち予約が取れたここに行くことに。
ちなみに予約は日本でオンラインでして行きましたが、コンタクトしたこの2軒とも三つ星にも関わらず予約システムが超アナログで、予約フォーム上で空きを調べることができません。Arzakに至っては、希望日時(第一希望のみ)を送信すると、3日後くらいにスタッフからメールが返ってきて(自動返信ではなくて、スタッフが逐一書いていると思われる)、そこではじめて予約可否が判明する仕組み(苦笑)。日本で当たり前に使っている食べログやOpen Tableの予約フォームって、素晴らしく便利です。
サン・セバスティアン全体がモダンガストロノミーが発展している土地ですが、ここは中でも分子ガストロノミーで有名なレストランで、豊富な海の幸を活かした料理が特徴なんだそう。
予約時間は30分刻みで昼は13:00-14:30、夜は20:30-22:00。到着からなんとか間に合う14:30の席を予約しました。日本で予約したときは「何だこのヘンな時間設定は」と思いましたが、スペインの食習慣にも慣れてきたので、胃袋のリズムもばっちり。
13時過ぎに駅に着くと、さっき書いたようにWiFiが繋がらないことが判明。あらかじめ調べたルートだと13時半すぎの便に乗らないと間に合わないのに、駅の場所すら分からない!助けて〜!
駅前のインフォメーションデスクに駆け寄り、カウンターのお姉さんに駅の名前を伝えて、MAPに場所を書き込んでもらいます。念のため、とあらかじめキャプチャしていたGoogleルートの画像が頼りになりました。
とにかく、13:39までにZubieta14に行かねば!
キャスターの荷物をガラガラ引いてMAPに書いてもらった地点までたどり着くも、駅らしきものは見当たりません。なんでー?!何人かの道ゆく人に「ズビエタフォーティーンの駅はどこ??」画像を見せて訪ねたところ、親切なマダムが「この辺がズビエタ14番地だけど、電車の駅を探しているの?よく分からないわねぇ」と。そうこうしていると、目の前にあるバス停に「Zubieta14」の文字が!なんと、駅は電車ではなくバスだったのでした。16番のバスに乗れということだったんですね。
私がバス停であまりに右往左往しているので、見かねた別のおばあちゃんが、スペイン語で一生懸命説明してくれます。どうやら16番のバスはあと5分で来るらしい。なんとか予定の便に間に合ったようで、ほっと一息。
おばあちゃんも同じ便に乗るようだったので、真似をして切符を買って、バスに乗り込みます。揺られている間も気にかけてくれて、まだ降りちゃだめよ、と合図を送ってくれて心強い。
目的のMeteorologikoa駅のアナウンスを聞き逃さないよう、集中して案内板を見ていると、15分ほど経ったところで、おばあちゃんが「ここよここ!」と肩を叩いてきました。え、まだ着いてないんですけど!Google先生のナビと違います!ときょとんとするも、言われるがままバスを降ろされて、バス停で呆然。別のおばあちゃんが一緒に降りて、スペイン語でまたしても何か説明してくれるけど、何のことか全然分からない。とりあえず「あっちよあっち」と指さすので、そちらに向かってみることに。しかし駅的なものは何もないし、お店までまだ3kmくらいあるし、どうしてくれるの〜!
結局、そこから何とかタクシーを拾って先の画像を見せたところ「あぁアケラーレね」と何とも心強い返答。さらに山道を10分くらいタクシーに揺られ、なんとか予約時間前にお店にたどり着くことができました。レストラン正面に車をつけてくれ、お支払いは10ユーロちょっと。むしろ優雅な気分にもなれて、結果OKだったのでした。
小高い丘の上、海を見渡す最高のロケーション!
コースは3種類で、お店の定番メニューを集めた「Classic」と、新メニューを盛り込んだコースが2種。私はClassicを選びました。
メニューには乗っていない前菜だけで5品、その後チーズ・デザートも含めると9皿というフルボリュームのコース。それぞれ手が込んでいて、一瞬も目が離せないショーを見ているかのよう。
10皿近いコースのうち、一番好きだったのがCardoonというアーティチョークの野生種の茎をソテーしたもの。ウドのような淡白な味かと思いきや、後から口の中でびっくりするくらいの甘みがわいてきて、経験したことのない感覚。時間差でやってくる甘さが面白くて、ちょっとずつ何口にも分けて楽しみました。
ほかにも、一見何の変哲もないオリーブが、中にアンチョビが隠されていて実はオリーブをいったんペーストしてもう一度オリーブの形に再構成したものだったり、イベリコハムに見えるものが、パプリカとトマトを練り込んだパスタだったり。あちこちに仕掛けが隠された実験的なメニューでした。
人と食事するのも好きですが、今回みたいに食の限界を突破していくような料理の場合には、ひとりで楽しむのもまた良し。これまでの舌の記憶を呼び起こしながら、シェフの思考に想像を巡らせる時間。美術館で作品とひとり対峙する感覚に近いものがあります。
ひとり客は私だけでしたが、フレンドリーなスタッフのおかげですっかりリラックスして、密な2時間を過ごしました。
窓際の女性がメインでサーブしてくれたスタッフ。スペイン語混じりの英語で、終始にこやかにメニューの説明をしてくれて、「Was it good?」「Do you like it?」とひとり客の私を気にかけてくれる。この女性に限らずスタッフがとても楽しそうに働いているのが印象的で、中には鼻歌を歌っているスタッフも。日本である程度のお店に行くと、洗練されたスタッフが緊張感をもって接客してくれるイメージだけど、ここは三つ星だけど肩肘はらずアットホーム。お皿の置き方とか、見方によっては雑とも捉えられるけれど、私にとってはくつろげる雰囲気で好印象でした。お客さんも全体的にそんな感じで、(お店的にはWelcomeじゃないかもだけど)スニーカーで来ている人も。奥のテーブルではお誕生日のお祝いだったようで、一人がハッピーバースデーを歌いだすと、(私も含め)お客みんなで拍手する一幕も。
ちなみに隣のテーブルは子供連れのファミリー。お子さま用に運ばれてきたのは化粧品を思わせるボトル(!)で、パンにプッシュして楽しそうに食べてました。私もやりたかったなぁ〜。
建物入ってすぐに見える景色。何かとRに縁がある私です。
ここで外を眺めていると、「日本の方ですか?」と久々の日本語が。サンセバスティアン出身の男性と結婚した女性で、普段は大阪に二人で住んでいるものの、ご主人の実家への帰省で二人で食事しに来たんだとか。サンセバスティアンまで足を運ぶ日本人は少ないそうで、一人で来ている私が珍しく思わず声をかけたんだそう。旅先で同郷の人に出会うと、それだけで友達のように思えてくるこの不思議。せっかくなのでと地元の美味しいお店を聞いたところ、もともとチェックしていたチーズケーキのお店を紹介されました。地元民のオススメってことは、ほんとに美味しいのかーと、夜の予定に加えることに。
さて、大満足で店を後にして、今度はちゃんとバスで街中まで戻ります。その名も「The room in the City」という繁華街のど真ん中にあるドミトリーにチェックインして、重たいお腹を抱えて街に繰り出しました。
まず見つけたのは、中心地のモール地下にあるスーパーマーケット。雰囲気としては成城石井とフードショーの間くらいの感じで、普段づかいの食材からちょっと高級なものまで幅広く揃います。
驚いたのはチーズのラインナップ。
これだけでも日本のスーパーではかなり充実してるほうだと思いますが、
チーズ専用棚、その一。
その二。
その三。まだ続きます。
その四。
その五!
こんなにあったらどうやって選べって言うんですかー!
この中から食べたいものをチョイスする知識がふつうにあるとしたら、ほんとすごいことですよね。他にも、お肉類、ホワイトアスパラガス、トマト、アーティチョークの充実度はすごかったです。反対に、魚介と生野菜は少ない印象でした。
街は土曜にも関わらず20時くらいまでほとんどのお店が開いていて、土産物屋は少なく地元の人向けのショップが充実していました。ファッション関係のお店はとてもおしゃれで、バルセロナよりも私の好きなテイスト。ふらっと入ったセレクトショップでは私の好きなイザベルマランやAPCなどのフランスブランドを扱っていたし、地元デザイナーの革小物屋さんやアクセサリー屋さんも洗練されている。
サンセバスティアンはピンチョス発祥の地で、夜はバールでピンチョスをつまむスタイルが人気とのこと。食べてみたかったんですが、食欲が完全に満たされてしまって全く食指が動かない。。。
おすすめされたチーズケーキがおいしいBARも見つけましたが、やっぱりどうしても食指が動かない。くー。
最後にドミトリー近くのBARでシメにコーヒーを一杯。カウンターに載せられたピンチョスを見て気分だけ味わって、気持ち良く宿に戻りました。
以上、サンセバスティアンの1日でした。
〈旅行記〉国民の祝日・公現祭の日に歩くバルセロナ
今日は早朝にバルセロナを発ち、サン・セバスティアンに移動中の列車の中で書いています。
〈旅行記〉スペイン・バルセロナの食文化を観察
昨晩バルセロナ入りして、今日は1日街歩き。文字通り脚が棒になるまであちこち歩き回って、ホスト宅に帰ってきました。
とても書ききれないくらいそれぞれ感想がありますが、ざっとルートだけおさらい。
サグラダ・ファミリア聖堂
バルセロナ一の観光名所だけに、気合を入れて朝8:30に到着。9:30に観覧予約をしていたので、教会内をひととおり見たあと、エレベーターで建物上部へ。
塔の内側のらせん階段から、バルセロナ市街を一望できます。冬の空は澄みわたり、街はわずかに朝もやがかかってとてもきれい。
サン・パウ病院
そこから徒歩圏内のサン・パウ病院。東京に同名のスペイン料理店(二つ星だったかな?)がありますが、これのことだったのかーと思いながら外観を見物。今は病院の機能は持たず、歴史的建造物として保存されています。
カサ・ミラ
バスに乗って、次のガウディ建築へ。今でも実際に4世帯が暮らしているというカサ・ミラ。中に入るには20ユーロ以上かかるので断念しましたが、屋上まで上れるようでした。「有機的」という表現がこの上なくしっくりくる、曲線オンリーの建築です。
カサ・バトリョ
そこから高級ブティックが立ち並ぶグラツィア通りを歩き、同じくガウディ作のカサ・バトリョへ。クリスマス仕様(?)で雪が積もったようなデコレーションがされていました。正面にベンチがあったので、しばし見上げて鑑賞。
カタルーニャ広場
さらにバスに乗って、ゴシック地区の入り口、カタルーニャ広場へ。大通りのど真ん中にありますが、のどかな雰囲気。鳩がたくさんいて、地元の人も観光客も思い思いに過ごしていて、なんだか上野公園的な印象。
ゴシック地区(旧市街)
歴史を感じる建物が立ち並ぶエリアを散策。1階にはカフェや雑貨屋などが入っていて、2階から上は居住エリア。路地に入ると、窓から洗濯物が干してあったり、子供がボール遊びをしていたり、生活感が感じられます。
カンプノウスタジアム
最後に、30分ほど電車に乗って、FCバルセロナの本拠地、カンプノウへ。あいにく試合のない日でしたが、グッズショップやミュージアムは観光客で賑わっていました。
現在のメインスポンサーはカタール航空ですが、2017からは前職の楽天になる予定。ここに「RAKUTEN」の文字がくることを思うとなんとも感慨深い・・・と思いながらスタジアムを後にしました。
と、大まかにこんな1日だったのですが、1日バルセロナの街に身を置いてみて感じたのは、「言語の複雑さ」です。
聞こえてくる言葉はスペイン語と思われる聞き取れない言語が大半ですが、どうやらその中には2種類あるらしく、街なかの案内にはスペイン語・カタルーニャ語(カタラン語)・英語の3パターンが存在しています。
地下鉄内の表示
「注意」の表示が、左から、カタルーニャ語、スペイン語、英語になっています。カタルーニャ語とスペイン語のどちらを優先させるかは、バルセロナの位置するカタロニア地方の歴史的経緯から一筋縄ではいかない問題のようなのですが、この2言語の違いについて調べていておもしろいことを発見しました。
スペイン語とカタルーニャ語はどちらもラテン語から派生した言語で、上の「Attention」からも分かるように、基本的には似ています。
ですがなかには全く異なる単語もあって、「食べる」もその一つだそうなんです。
同じくラテン語を元にする他のロマンス諸語を調べてみると、
- フランス語:manger
- イタリア語:mangiare
- ポルトガル語:comer
なるほど、スペイン語はポルトガル語、カタルーニャ語はフランス語・イタリア語と同じグループになるようなんですね。
この2種類がそれぞれどういうニュアンスの言葉なのか、辞書だけでは分かりづらいですが、またまた調べていると、こんな情報が。
スペイン語の「食べる」のバリエーション - ちょっと囓ってみたス... - Yahoo!知恵袋
スペイン語では、comerの他にも「食べる」を表す動詞があるらしいんです。
スペインでは昼食が一日のメインの食事なので、単にcomerと言うときは「昼食を食べる」になるそうですが、ほかに専用の動詞として、朝食をたべる(desayunar)、昼食を食べる(almorzar)、夕食をたべる(cenar)、おやつを食べる(merendar)があるそうな。
日本語に置き換えて考えてみて、「食べる」以外に動詞って思いつきます?「食する」「味わう」「食らう」・・・食べ方についてのバリエーションはあるけれど、食べる対象で動詞を使い分けるって、ちょっと発想がないですよね。
雪国で暮らすエスキモーの言葉には「雪」を表す単語が多い、というのは有名な話ですが、同じようなことをスペインの「食」に感じました。
バルセロナと食
カサ・ミラ1Fのミュージアム&スーベニアショップには、スペインの食を紹介する書籍コーナーがずらり。スペイン=食のブランディングを強く感じます。右下の黄色い分厚い本は、あらゆるタパスを解説したPHAIDON社の本。美術書で知られる出版社なので、食の位置付けの高さに驚き。
街の書店の食関連コーナーも充実していました。Gastronomiaはスペイン語で「グルメ」の意味。
『孤独のグルメ』のスペイン語訳も発見!これだけ食好きな国民なら、ウケて当然ですよね。納得。
そんなグルメなスペインですが、名物のタパスもちゃんと食べてきましたよ〜。
Today's menuから3種のタパスを選べて、バゲット、ドリンク、食後のコーヒー(or Today's sweets)がついて、税込12ユーロとは安い!
ランチは13:00~16:00、ディナーは21:00~24:00の時間帯が普通というバルセロナ、店内は午後をゆったりランチで過ごすカップルやファミリーで賑わっていました。
こんな街で暮らしたら、食べること・生きることの意味が必然的に変わってきそうです。
明日も1日バルセロナ、スペイン最大のfood marketに行く予定です!
〈旅行記〉スパイスの街 カタール・ドーハ
有休消化期間を使って、ヨーロッパに2週間の旅に出ました。
一昨年に続いて、人生2度目のヨーロッパ。そして人生初の海外一人旅です。
今回はカタール航空を使って、ドーハで10時間のトランジット。これはドーハ観光もせねば!ということで、カタール航空が無料で提供しているシティツアーでドーハの街を楽しんできました。
ドーハ国際空港に着いたのは早朝4時過ぎ。6時オープンの予約カウンターには30分前から行列ができていて、私もすかさず並びます。ツアーは1日に何度か運行しているみたいですが、無事1回目の枠をゲット。7時15分にまた来るようにカウンターのお姉さんに言われました。
ツアーの前に腹ごしらえ、ということで空港内のコンビニ的なショップでご当地ものを物色。
ドリンクはクミンが入った塩味のミルクで、これは初めて飲む飲み物でした。甘さはまったくなくてドロっとしています。カタールの灼熱の太陽の下だと、塩分補給できるしこういうのが飲みたくなるのかな。
さて、ガイドさんの案内で出国手続きをして、いざツアーに出発。1月ですが20℃越えの暑さで、ユニクロの超極暖が一瞬恨めしくなりましたが、バス内はギンギンにクーラーかかっていたので結果正解。
大型バスで2時間半くらいで市内を回ってくれます。
ペルシャ湾に浮かぶアラビアンな木造船と、背景の高層ビル群の対比が印象的。天然資源で経済が潤っているので、街全体はとても近代的です。
海沿いで出会った野良猫。
潮風に吹かれてワイルド無造作ヘアーになっていました。どうやらシャイらしくカメラ目線はしてくれませんでしたが、瞳は見たことない透き通ったグリーン。
ちなみに現地の車は8割がた日本車でした。カタールの天然ガス輸出先第1位が日本だそうで、繋がりが強いみたい。
バスはピンポイントで観光地を回っていきます。いかにもアラビアンなシャッターチャンスも用意してもらったあとは・・・
ツアーの目玉、市場「スークワキーフ」へ。
これこれこの感じ、異国に来たって感じしますよね!
ストリートごとに、生地屋さん、お土産やさん、ペット屋さんなどが立ち並んでいます。
そして、食べ物好きな私がいちばんテンション上がったのは、スパイスストリート!
カラフルなスパイスがずらっと並んでいて、全てごちゃまぜになった独特の匂いたるや。魔法のランプから出てくるモクモクはきっとこんな匂いね‥‥と思えるほど、トリップしちゃいそうな魅惑の香りなのでした。
さてさて、シティツアーから空港に戻るとちょうどお昼時。
空港内のカフェでリコメンドされていたTurkish Coffeeは、これまたカルダモン入りのスパイスコーヒー。どんなものかと頼んでみたら、エスプレッソに沈殿するくらいしっかりカルダモンが入った超ストロングな飲み物でした。
クロワッサンは、zaatar(ザーター)クロワッサンという見かけないものをチョイス。中東では定番のクロワッサンだそうで、日本でいうハーブソルトみたいなのが振りかけてあります。調べたら、ザーターとはミックススパイスのこと。ほんとにスパイス好きなカルチャーなんですね!
その後スペイン・バルセロナに入り、このブログはバルセロナのAirBnBの部屋で書いています。
明日からはヨーロッパの旅行記です。
30年前のワインが問いかける。「おいしい」って、なんだ?
お正月で実家に帰ってきています。
むかし親がワインに凝っていた時期があって、そのときに買ったワインが何本か放置されていたので、今年はそれをあけることに。ちなみに凝っていた本人はいないので、どんなワインなのか誰も分かりません。
本来ならワインセラーで保管しないといけないものだと思うんですが
なにせずっと「放置」だったので、ラベルはボロボロ、色もロゼに見えるくらい変色しているものも。。でも、80年代〜新しいものでも10年以上のビンテージで、もしかしたらすっごい美味しいかも?!
1990年のシャンパン、1996年の白、1983年の赤の3本を開けてみました。
この83年の赤、シャトー・オー・ブリオンと書いてあって、なんか聞いたことあるなぁ〜と。調べたら、どうやら1本8万円以上の値がつくもののよう。えー!と家族でキャッキャしながら、ボロボロになったコルクと格闘し、33年の時を経た液体をグラスに注ぎます。思いのほかさらっとしていて、色は茶色がかったガーネット。
私が生まれる前につくられたそのありがたい液体を口に含むと、
・・・。
・・・・・。
うーん、、、
おいしい、、、、のか?
これまで飲んだことのあるワインの味と違うことは分かるんです。
最後にタンニンの味が残ることも、アルコール度数が保たれていることも、舌の奥のほうを刺激する酸味を感じることも。
けど、それらの情報が「おいしい」を意味するのかどうかが、わからなくなってしまって。
おいしいって、なんだっけ?
他の家族は「まずーい」と一言、一杯だけですぐ他の飲み物に変えて、流しに残りを流さんばかりの扱いだったけど。
私は「おいしい」に混乱を生じさせるこのワインの存在が気になってしまって、
いま真夜中にもう一度ひとりでちびちび飲んでいます(笑)
この混乱は、アートを観るときの感覚にとても似ているなぁ。
「分からない」作品に対峙したとき、人は「分かる」ために解説を読んだり、感覚で判断しようとしたり(好きか嫌いか)、人と感想を話し合ったりします。作品の前を素通りせず、なんとかして「分かりたい」と思わせる何かがあるかどうかが、作品の良さの一つの判断基準だと思うのです。分かった先に良し悪しがあるのではなく、分かる過程にあるというか。ある美術評論家も「良い作品ほど多くの問いを投げかけてくれる」と言っていました。
これをワインに置き換えるなら、これだけ私の「おいしい」を惑わすこのワインは、きっと良いものなのだなぁ。
ちなみに、もう2本のシャンパンとシャルドネは、お酢を飲んでいるかのような酸っぱさで、これは劣化の代表的な例だそう。熟成ではなく要するに酸化しちゃってるんですね。
うーむ、ワイン、おもしろい。
ちょうど来週旅行でボルドーに滞在する予定なので、ますます楽しみになってきた!